「設計事務所は敷居が高い。設計事務所に頼むとお金がかかる。それも社寺専門となれば余計にそうだ。」とお考えの方。またはそのように聞いた事があるという皆様。それは大きな誤解をされています。必ずとは申しませんが、設計事務所に「設計監理」を依頼することは、返って「安くて良いものを造る」ということにつながるのです。
設計事務所に業務を依頼しない場合は、施工業者(建設会社、工務店など)が設計監理も兼ねるのが普通だと思われます。いわゆる「設計施工」という形式です。この形式の利点は、営業担当~設計担当~積算担当~工事担当とスムーズに事が運び、竣工が向えられるという事です。しかしそれで良いのでしょうか。
「設計施工」の場合でも設計監理費は掛かります。無料とか格安でと言われた場合は工事代金に紛れ込んでいると考えるべきでしょう。また、見積書のチェックは誰がするのでしょうか。工事の監理まで一つの組織に任せて、本当に適正な監理ができるのでしょうか。
そのような疑問を解決するのが設計事務所です。第三者機関として設計事務所に「設計監理」、施工業者に「施工」と分けて発注することが質の高い建築物を造ることになるのです。
日本全国にはそれこそ何千もの設計事務所がございます。しかし、その設計事務所のすべてが建物であれば何でもこなすとは限りません。それぞれが得意とする分野があり営業をしているのです。設計事務所はすべての建築に対して万全ではないということです
例えば、ご本堂を例にいたします。各御宗派によっての使い勝手の違い、建築様式の違い、仏具の配置、各部の名称、屋根や軒の反り、彫刻や錺り金物の紋様その他、特殊な技法と経験が要求されます。末永くご使用になられる建物です。住宅建築や公共施設を得意とし、社寺建築の経験がない一般の設計事務所では少々不安ではございませんか。
私ども(有)関野宗教建築設計事務所は、昭和40年に個人事務所として設立して以来、80をこえる神社寺院において、大小150物件以上の社寺建築に携わって参りました神社仏閣建築専門の設計事務所でございます。社寺建築の設計監理は経験豊かな私どもにご相談ください。
私どもが設計に入らせていただく前に一番大切にしている事は、建築主様や建設委員会との対話でございます。計画されている建物の用途、予算、規模、構造、設備、材料他、ご要望、ご意見、設計監理費など、お考えになられている様々な事をお聞かせください。一度では無理な場合は数回に渡ってお話ください。また、私どもの建築に携わる姿勢をご理解いただくためにも、ご案内を致しますので過去に行った設計監理物件を見学されてはいかがでしょうか。お互いの理解を深め合うことが、最初の一歩だと考えております
お話をうかがえましたら、配置、平面の計画からスタートです。平面計画で失敗をいたしますと建物にとっては致命傷です。紙の上で何度も検討を重ねてまいります。立面、断面計画までを基本計画といたします。基本計画にご承認をいただけましたら基本設計完了となり、通常はこのあたりで設計契約をしていただきます。
基本設計の次は実施設計です。ここでは、基本設計をもとに仕様書、詳細図、展開図、伏せ図、構造図、設備図などといった設計図書の他、確認申請の手続きも平行して行います。また、私どもでは屋根、軒反り、虹梁や蟇股といった彫刻、錺り金物などといった原寸図もこの期間に作成をいたします。
基本計画と実施設計による設計業務の期間中は、何度もお打ち合わせをさせていただきます。基本計画期間ではその都度必要に応じて。実施設計の期間では月に一回程度お伺いして進捗状況をご報告してまいります。要望や変更はその際にお早めにお申し出下さい。
通常、設計図書の作成が最終段階に入り、行政機関への手続きにも目処がたった時点で、施工業者の選定を行います。選定方法は、特命、競争入札、見積り合わせなどの手法があります。特命とは1社に限定をして見積りをさせるやり方。競争入札は複数の業者に金額だけを同時に提示させ、条件を満たした業者に落札させる一発勝負。これに対し、見積り合わせは複数の業者に金額と詳細な見積り書を同時に提出させ、それに基づき予算、信頼性、技術力などの諸条件をすべて加味し、建築主、建設委員会、設計事務所が一堂に会し、会議を経て1社に絞り込むという手法です。
「安くて良いものを造る」という大前提は、ここがポイントです。競争入札や見積り合わせを行うことにより、業者間での競争意識は自然に発生します。ライバル会社がいる見積りと、いない見積りとでは差が出て当然です。そしてこの差額は時に設計事務所の報酬をも越えるほど大きなものになるケースがあるのです。ただし、度を越した値引き合戦は出来上がる建物のことを考えれば決して歓迎はできません。適正価格を見極めるのも設計事務所の仕事となります。
なお、私どもでは、より良い業者選定を行っていただくために、見積り合わせの方式を取って頂くようお願いをしております。見積り合わせを行う際の業者への連絡、現場説明会、質疑応答、見積書のチェックなど、これらも私どもが代行をいたします。質疑書、見積書を見れば大抵の場合、その建設業者の取組み方、仕事の質が見えてきます。私どもはその一つ一つを判断し、会議にて報告をいたします。建築主様、建設委員会が最善の選択をしていただけるよう、お手伝いをいたします。
また、様々な事情から建設業者を特命とされる場合でも、見積書のチェックは私どもでさせていただきます。設計図書の作成は勿論、ここまでを設計業務としていたします。
工事着工後は監理業務に移ります。設計図書どおり工事が推移しているかのチェックは勿論、材料の検品、屋根等の原寸検査なども監理業務での仕事です。また、施主様からの工事期間中の疑問点、変更箇所につきましても、設計事務所をとおして施工会社に申し入れをしてください。工事着工後は建築主様に変わっての代理人の役目も果たします。
設計事務所は建築主様と同じくらいその建物を愛しています。それは自分たちの作品でもあり、その作品に誇りと自信を持ちたいからです。特に、私たちの扱う神社仏閣建築は100年以上の寿命を要求される特殊な建築物です。
氏子様や檀家様からお預かりした浄財を使う訳ですから建てた後の後悔など許されるはずもございません。竣工後お伺いした際に「やっぱり良かった」と言われる事が、私どもの最高の喜びです。また、そのように言って頂けるよう努力させていただきます。自転車に乗っていても前を通る時に自然と頭が下がるような、氏子様や檀家様、地域の皆様の心の拠り所になるような、そんな社寺建築を目指して取組む所存でございます。私どもの設計事務所を利用してください。設計事務所は皆様の想像以上に役に立つ存在です。建物に合った設計事務所を見つけてください。竣工後も何かとお役に立てると思います。
ご相談、設計監理経歴書のご送付は無料でございます。門や鐘楼といった小さな建物から境内地の整備まで規模の大小は問いません。また、遠方の地域であっても交通費や宿泊費の請求はいたしません。どうぞお気軽にお問い合わせをくださいませ。
お問い合わせは、メールまたは電話、FAXにてお願いいたします。
神社宮司様、寺院住職様、または建設委員会様、お問い合わせを心からお待ちいたしております。